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ワークロイドの保険:種類と確認項目

働くロボット(Workroid)で起きうる事故を、どの種類の保険の話として整理すればよいかをまとめました。ASI株式会社は保険代理店ではなく、このページは情報提供です。保険の勧誘も商品の推奨もしません。

協会・保険会社の公開情報で 確認項目のチェックリスト付き 勧誘・申込受付はしません
まず結論

保険は「ロボット」でなく「何が起きたか」で分かれる

ワークロイドの備えは、第三者への賠償、機体の損害、止まったときの費用、従業員のけが、サイバーの5つに分けて考えます。一般の保険を組み合わせる形のほか、2026年11月から東京海上日動が提供を始めると発表した「AIロボット保険」のような商品もあります[1]。ただし引受条件は用途や環境で個別に決まるため、下のチェックリストを埋めて保険会社か代理店へ確認するのが近道です。ASI株式会社は保険代理店ではありません。

02 / Types

保険の種類の整理

日本損害保険協会の事業者向け解説をもとに、ロボットの場面に置き換えました。

「保険の説明」は損保協会・東京海上日動の公開情報にもとづく要約[2][3][4][5][6]。「ロボットでの場面」は当サイトが例示したもので、実際に支払われるかは約款と個別の判断によります。補償内容は保険会社で異なります。
種類保険の説明ロボットでの場面(例)
施設賠償責任保険所有・使用・管理する施設の欠陥や、従業員の業務が原因の法律上の賠償責任自社の倉庫や店舗で走行中の機体が来訪者に接触
請負業者賠償責任保険請負作業中の事故や、作業に使う施設の欠陥・管理不備による賠償責任受託した点検作業の現場で機体が他社の設備を破損
生産物賠償責任保険(PL保険)製造・販売した製品の欠陥や、工事・サービスの結果が原因の賠償責任自社で組み込み販売した機体の欠陥で事故
動産総合保険機械や器具などの動産を、使用中・保管中・運送中・展示中の事故から補償。火災、盗難、破損、取扱いの不注意など。地震・噴火・津波は対象外展示会への運搬中に破損、保管中の盗難
機械保険機械設備に、不測かつ突発的な事故で物的損害が生じた場合。操作ミス、設計や材質の欠陥、電気的事故など据え付けに近い設備のショートによる損傷
休業補償保険火災や水災などで建物や設備が損傷し、事業を休止したときの利益の損失や費用事故で事業が止まったときの減収
労働災害総合保険政府労災に上乗せする補償や、使用者としての賠償責任作業中に従業員が機体と接触して負傷
サイバー保険サイバー事故による賠償責任、対応費用、利益損害など遠隔操作の経路への不正アクセス

賠償責任の保険で共通する対象は、第三者への法律上の賠償金や争訟費用などです[2]。1つの事故に複数の種類が関係することもあれば、どれにも当たらないこともあります。「ロボット保険に入っているから大丈夫」と考える前に、次の場面を確かめてください。

03 / Gaps

補償の境目になりやすい場面

公開された約款や案内から、見落としやすい点を拾いました。

動かなくなっただけでは対象にならないことがある

東京海上日動の機械保険の案内は「機械設備・装置の不調・不具合等の事故に物的損傷が伴わない場合は保険金をお支払いいたしません」と明記しています[4]。ソフトの不具合や通信の断絶で止まるのはロボットで起きやすい場面なので、確認が要ります。

故障は外来の事故と別扱いのことがある

同社の動産総合保険の約款では、「不測かつ突発的な外来の事故に直接起因しない」電気的・機械的事故が基本の補償から外され、別に特約条項が用意されています[5]。ぶつけて壊れたのか、内部で壊れたのかで扱いが変わりうるということです。

摩耗と劣化は対象外

機械保険も動産総合保険も、日常の使用に伴う摩滅や消耗は対象外と書かれています[4][5]。関節やバッテリーの消耗は、保険でなく保守費として見ておくものです。保守の考え方は修理・保守の記事へ分けました。

地震は別

損保協会の説明では、動産総合保険も企業向け火災保険の基本補償も、地震・噴火・津波による損害は対象外です[3]。火災保険には地震危険補償特約がありますが、機体の補償に使えるかは個別の確認事項です。

借りた機体の「補償込み」の範囲

レンタルでは料金に補償を含む例があります。ある公開料金ページは全商品の補償を掲げ、通常利用での破損は免責費用なしと案内しています[7]。一方で、この種の説明が第三者への賠償まで含むかは別に確かめる必要があります。リース物件に動産保険が付く例も公開されていますが、その例でも地震・噴火・津波や紛失、自然の消耗などは対象外とされています[8]。

操作者ごと頼む場合は、責任の分け方を契約で決めてください。機体の持ち主、操作する人を出す会社、会場を持つ会社、発注した自社の4者が関わることがあります。事故のときに誰の保険が使われるのかを、発注前に書面で確かめます。

04 / PL

PLと輸入・改造

使う側のつもりでも、関わり方で立場が変わることがあります。

製造物責任法は、製品の欠陥で生命、身体、財産に被害を受けた人が製造業者等に賠償を求められる法律です。消費者庁のQ&Aから、ロボットで関係しそうな部分を抜き出します[9]。

消費者庁「製造物責任法の概要Q&A」より要約。個別の判断は弁護士等の専門家へ。
論点Q&Aの説明ロボットで考えること
輸入した場合製造物を業として製造、加工または輸入した者が対象(Q12)海外メーカーの機体を自社で輸入して事業で提供するなら確認が要る
自社名を付けた場合製造業者として表示した者、誤認させる表示をした者も対象(Q12)機体に自社ブランドを付けて出すとき
販売だけの場合販売業者は基本的に対象外。ただし輸入業者などに当たれば別(Q13)仕入れの経路を確認する
ソフトウェアソフト自体は無体物で対象外。組み込まれた製造物は対象と解される場合がある(Q5)AIや制御ソフトの更新で事故が起きたときの整理を保険会社へ聞く
中古品中古品も製造物に当たる。点検や修理などの介在も判断で考慮(Q6)中古機の販売元と整備履歴を残す
設置・修理業者基本的には対象にならないと考えられる(Q14)設置や修理の不備は別の賠償責任の話として整理する

メーカー側の注意書きも確認項目です。Unitreeの公式ページはG1について「This product is a civilian robot」と記し、危険な改造や危険な使い方を控えるよう求め、人との十分な安全距離も呼びかけています[10]。業務で使う、改造する、人の近くで動かす場合は、その事実を保険会社に伝えたうえで引き受けの可否を聞いてください。

05 / Products

ロボット向けに公開された商品の例

事実の紹介で、特定の商品を勧めるものではありません。保険料は公開情報で確認できませんでした。

各社の発表文で2026年11月2日に確認[1][11]。内容は変わることがあるため、最新は各社へ。
項目東京海上日動「AIロボット保険」あいおいニッセイ同和損保・ZMP「自動運転ロボット専用保険プラン」
発表2026年10月26日。11月より提供開始2023年5月16日。5月より販売開始
対象自律移動型ロボット(車輪型、4足歩行、ヒューマノイド等)ZMPの自動運転ロボット
機体機体補償(修理費用または交換費用)動産総合保険(破損や盗難など)
第三者への賠償賠償責任補償(対人・対物)施設所有(管理)者賠償責任保険
止まったとき事業継続費用補償(代替人材の人件費、代替ロボットのレンタル費用等)事故後の運搬費用等の特約
サイバー起因する損害は対象外オプションの例として記載
引受の条件用途や稼働環境を確認し個別に設定ロボット管理システムの使用契約と併せて提案

比べて分かるのは、同じ「ロボットの保険」でも対象の機種とサイバーの扱いが違うことです。遠隔操作やクラウド連携に頼る運用なら、サイバーの扱いは早めに聞く項目になります。

06 / Rules

機種・場所で変わる決まり

保険が手続きと結びつく形もあります。

ドローン

国土交通省の案内によると、2025年10月1日以降に新たに提出する飛行許可・承認の申請から、総重量25kg以上の無人航空機を飛ばす場合は第三者賠償責任保険の加入が必要です。申請時には保険の加入状況の記載が必要で、飛行の際は付保状況と有効期間の確認も求められます。レベル3.5飛行でも第三者賠償責任保険の加入は必須です[12]。機種の話はドローンの導入にまとめました。

公道を走る配送ロボット

2023年4月1日施行の改正道路交通法で、遠隔操作型小型車は歩行者と同等の交通ルールになりました。あいおいニッセイ同和損保の発表は、実証段階の自動車保険による補償からこの改正で新たな保険の組成が求められたと説明しています[11]。届出などの手続きは経済産業省の関連制度のページで確認できます[13]。

屋内の施設と人の近く

倉庫や店舗の中は公道の決まりとは別ですが、来訪者や従業員のそばで動くなら、施設賠償と労働災害の両方の確認が要ります。現場の条件はヒューマノイド、四足歩行、物流・倉庫の各ページに載せています。

07 / Checklist

保険会社・代理店へ確認する項目

印刷して埋めれば、そのまま相談の資料になります。

1. 機体について伝えること

確認項目なぜ聞かれるか
メーカー、型番、グレード、製造番号、取得価額保険の対象を特定し、金額を決める土台になります
買う、借りる、リースのどれか持ち主によって機体の保険を誰が掛けるかが変わります
新品か中古か、改造やカスタムの有無リスクと責任の整理が変わります
輸入の経路、国内の販売元と保証の期間PLの立場と修理の見通しに関わります
重さ、最高速度、可動範囲当たったときの被害の想定に使います

2. 使い方について伝えること

確認項目なぜ聞かれるか
作業の内容と、1日の稼働時間用途が引受の判断材料になります
自律か遠隔操作か、誰が操作するか操作の誤りと機械の誤りで、責任の整理が変わります
場所(屋内、屋外、公道、他社の施設、水辺、高所)環境で事故の型と補償の範囲が変わります
周囲に一般の人がいるか、距離をどう取るか第三者への賠償の見込みに直結します
運搬と展示の有無運送中や展示中の扱いを確認するためです

3. 補償について聞くこと

確認項目なぜ聞くか
接触で壊れた場合と、内部の故障で壊れた場合の違い電気的・機械的事故が別扱いの例があります
物的損傷がなく、止まっただけの場合不調は対象外とする案内があります
ソフトの不具合、更新の失敗、AIの誤判断が原因の事故公開資料では扱いが読み切れない点です
不正アクセスや通信の障害が原因の事故サイバー起因を除く商品があります
バッテリーの発火、充電中の事故機体、建物、第三者のどこに被害が出るかで保険が分かれます
代わりの機体や人の費用、休業の損失止まったときの費用は別の補償のことが多いです
自己負担額、支払い限度額、対象外の地域や天候金額の差は保険料だけでは分かりません
回収の費用、海外での使用動けなくなった場所から戻す費用も確認します

4. 社内と契約で決めておくこと

確認項目なぜ要るか
レンタルや派遣の契約にある損害の負担と補償の範囲既に付いている補償との重なりと空白を確かめます
会場や現場の持ち主から求められる保険の条件他社の施設で使うときに必要になることがあります
事故の第一報の連絡先と、映像や稼働記録の保存手順原因の確認に記録が要ります
更新時期と、台数や場所が増えたときの連絡使い方の変化を伝えないまま運用しないためです

日本損害保険協会の事業者向けサイトには、取扱い保険会社の案内やリスク診断も用意されています[2]。費用の中での保険の位置づけは導入手順・費用・補助金で扱いました。

08 / FAQ

よくある質問

ワークロイドに入れる保険はありますか?

ロボット向けをうたう商品が出ています。また一般の賠償責任保険や動産総合保険を組み合わせる形も公開されています。加入できるかは用途と環境で変わるため、保険会社か代理店に確かめてください。

ロボット本体が壊れたときはどの保険の話になりますか?

本体の損害は動産総合保険や機械保険の領域です。動産総合保険は外来の事故が中心で、東京海上日動の約款例では電気的・機械的事故は特約の扱いです。機械保険でも、物的損傷が伴わない不調は支払い対象外と案内されています。

人にぶつかってけがをさせたときは?

第三者への賠償は賠償責任保険の領域です。施設内の管理や業務が原因なら施設賠償責任保険、請負作業中なら請負業者賠償責任保険、製品の欠陥ならPL保険、と原因と立場で種類が変わります。

海外製のロボットを自社で輸入するとPLの責任はありますか?

消費者庁のQ&Aは、製造物を業として輸入した者を製造物責任の対象としています。輸入の形や関わり方で判断が変わるため、弁護士や保険会社に確かめてください。

レンタルなら保険は要りませんか?

一概に言えません。料金に補償を含む例はありますが、対象は機体の破損かもしれず、第三者への賠償まで含むとは限りません。契約書で範囲と自己負担額を確かめてください。

ASI株式会社で保険に加入できますか?

できません。ASI株式会社は保険代理店ではなく、保険の勧誘、申し込みの受付、商品の推奨はしていません。ご相談は保険会社または代理店へお願いします。

ASI株式会社は保険代理店ではありません。このページは一般的な情報提供で、保険の募集、申し込みの受付、特定の商品の推奨を行うものではありません。補償の内容と支払いの可否は、各社の約款と個別の判断によります。「ワークロイド」「Workroid」は登録商標(第6415933号・第6415936号)で、言葉の説明のために記載しています。当社は商標権者やワークロイド・ユーザーズ協会とは関係がありません。

出典

  1. 東京海上日動「AIロボット保険」の提供開始(2026年10月26日)https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/release/pdf/261026_01.pdf
  2. 日本損害保険協会 事業者向け保険「賠償責任のリスク」https://www.sonpo.or.jp/sme_insurance/liability//特設サイト
  3. 同「企業財産のリスク」https://www.sonpo.or.jp/sme_insurance/corporate-property/
  4. 東京海上日動 機械保険「補償内容」https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/hojin/zaisan/kikai/hosho.html
  5. 東京海上日動 動産総合保険の約款(2022年7月1日以降始期用)https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/hojin/pdf/dousan_yakkan_20220701.pdf
  6. 日本損害保険協会「事業中断・利益減少のリスク」business-interruption/「従業員のリスク」employee
  7. ClearAI「ロボットレンタル」(公開料金ページの例)https://clearai.jp/robot-rental
  8. ダイキン「動産保険」(リース物件の保険の公開例)https://www.ac.daikin.co.jp/lease/property_insurance
  9. 消費者庁「製造物責任法の概要Q&A」https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/other/pl_qa.html/製造物責任(PL)法
  10. Unitree「G1」公式ページhttps://www.unitree.com/g1/
  11. あいおいニッセイ同和損保・ZMP「自動運転ロボット専用保険プラン」(2023年5月16日)https://www.aioinissaydowa.co.jp/corporate/about/news/pdf/2023/news_2023051501158.pdf
  12. 国土交通省 航空局「第三者賠償責任保険の加入について」https://www.mlit.go.jp/common/001909323.pdf
  13. 経済産業省「自動配送ロボット 関連制度」https://www.meti.go.jp/policy/economy/distribution/deliveryrobot/policy.html
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