使える制度、補助率と上限、要件、申請の流れ、そして対象にならないものまで、公式ポータルの記載にもとづいて書きます。採択は保証されず、レンタルは対象外が多い制度です。
ロボットの購入は、中小企業省力化投資補助金の対象になる場合があります。カタログ注文型は補助率1/2以下、上限は従業員5名以下200万円・6〜20名500万円・21名以上1,000万円(賃上げ要件の達成で300万円・750万円・1,500万円)。ただしレンタル(賃貸借)は対象外が多く、中古品と交付決定前の購入も対象外です。採択は保証されません。
金額は公式ポータルに掲載があるものだけ載せます。
| 制度 | 補助率 | 補助上限 | 対象・注意 |
|---|---|---|---|
| 省力化投資補助金 (カタログ注文型) | 1/2以下 | 200万(300万) 500万(750万) 1,000万(1,500万)円 | カタログ登録の汎用製品を販売事業者と共同導入 |
| 省力化投資補助金 (一般型) | 中小 1/2(2/3) 小規模・再生 2/3 | 750万(1,000万)〜 8,000万(1億)円 | 現場に合わせた設備導入・システム構築 |
| 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 (旧・新事業進出補助金/旧・ものづくり補助金の新規受付を統合) | 公募要領で確認 | 公募要領で確認 | 新製品・新サービス開発、新事業進出に伴う設備投資、輸出体制強化。GビズID必須 |
| デジタル化・AI導入補助金 | 公募要領で確認 | 公募要領で確認 | 登録済みITツール。機体でなく周辺ソフト |
| 小規模事業者持続化補助金 | 公募要領で確認 | 公募要領で確認 | 第17回以降は未定(2026年9月時点) |
最初に確認するのは、導入したい製品が省力化投資補助金の製品カタログに登録されているかです。登録されていれば国が省力化効果を認めた製品ということになり、一般型に比べて申請が迅速・簡易になります。なおデジタル化・AI導入補助金の対象は登録済みのITツールで、機体ではなく周辺ソフト側で使う制度です。
カタログ注文型と一般型で、上限も要件も違います。
| 従業員数 | 補助上限額 | 賃上げ要件の達成時 | 補助率 |
|---|---|---|---|
| 5名以下 | 200万円 | 300万円 | 1/2以下 |
| 6〜20名 | 500万円 | 750万円 | 1/2以下 |
| 21名以上 | 1,000万円 | 1,500万円 | 1/2以下 |
要件の中核は労働生産性の向上目標で、補助事業終了後3年間、毎年年平均成長率(CAGR)3.0%以上の向上が求められます(労働生産性=(営業利益+人件費+減価償却費)÷従業員数)。上限を引き上げる賃上げ要件は事業場内最低賃金3.0%以上増と給与支給総額6%以上増で、従業員への表明も必要。自己の責によらない正当な理由なく未達だった場合は減額されます(天災等の正当な理由があるときは減額されません)。
見積に照らすと本体と設置・運搬・初期設定までは対象、出張交通費と宿泊費は対象外です(費用相場)。対象は国内で法人登記等をした中小企業等で、申請日時点の人手不足、全従業員の賃金が最低賃金超などが要件です。
| 従業員数 | 補助上限額 | 大幅な賃上げを行う場合 |
|---|---|---|
| 5人以下 | 750万円 | 1,000万円 |
| 6〜20人 | 1,500万円 | 2,000万円 |
| 21〜50人 | 3,000万円 | 4,000万円 |
| 51〜100人 | 5,000万円 | 6,500万円 |
| 101人以上 | 8,000万円 | 1億円 |
一般型の基本要件は、①労働生産性の年平均成長率+4.0%以上、②1人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上、③事業場内最低賃金が事業実施都道府県の最低賃金+30円以上など(従業員21名以上は一般事業主行動計画の公表も)。②が未達なら達成率に応じて、③が未達なら補助金額を事業計画年数で除した額の返還を求められます。ただし付加価値額が増加しておらず営業利益が赤字の場合や、天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合は返還を求められません。対象経費は機械装置・システム構築費(必須)のほか技術導入費・専門家経費・運搬費・外注費など。外注費が入る点が実務上の違いです。
政府方針に補助金での後押しが明記されています。
人工知能基本計画(2026年7月14日 閣議決定・改定版)は「現実空間で価値を生む『フィジカルAI』にAI戦略の重点を置く」とし、補助金との関係も「地域AXの推進のため、大規模成長投資補助金やデジタル化・AI導入補助金を始めとする中堅・中小企業におけるAI導入…を支援する」と制度名を挙げて明記。脚注ではフィジカルAI(特にAIロボット)に係る官民投資額を2040年度までで10.5兆円と想定しています(バーティカルAI23.1兆円・半導体68.0兆円と並記)。
AIロボティクス戦略(2026年3月26日決定・5月27日改訂)は2040年までに1,000万台規模のAIロボットを国内導入する目標を掲げ、経済産業省ロボット政策ページの「導入・普及を加速するエコシステムの構築(『ロボットフレンドリー』な環境構築)」の項には「地域の中小企業等へのロボット導入に向け、コンサルタントやシステムインテグレーター、金融機関等による相互の連携を促進します」とあります。
関東経済産業局「ロボット導入施策パッケージ 2026年5月時点版」はさらに「中堅・中小企業が独力でロボットを導入することは困難であり、支援機関の皆様の助けが必要」と書き、基本フローを「事前検討・調査、要件確認、要件定義・仕様検討、機器提案、導入、運用・改善」と整理。制度が並ぶのは「独力では無理」が前提だからで、補助金より先に要件定義を一緒にやる相手を決めるほうが早い(導入ガイド)。
補助率と上限の両方が効くため「1/2が返る」とは限りません。
| 前提(カタログ注文型) | 補助対象経費 | 補助額 | 実質負担 |
|---|---|---|---|
| 従業員5名以下 | 200万円 | 100万円(1/2) | 100万円 |
| 従業員5名以下 | 500万円 | 200万円(上限に到達) | 300万円 |
| 5名以下・賃上げ達成 | 500万円 | 250万円(上限300万円内) | 250万円 |
| 従業員6〜20名 | 1,200万円 | 500万円(上限に到達) | 700万円 |
| 6〜20名・賃上げ達成 | 1,200万円 | 600万円(上限750万円内) | 600万円 |
2行目と3行目を見比べてください。同じ500万円でも賃上げ要件の達成で実質負担が50万円変わります。逆に上限に当たると名目1/2でも実質は40%です。補助率が1/2のとき、「補助上限額の2倍」を超えた分は全額自己負担になります。
この試算に消費税と対象外経費は含みません。公式ポータルも「交付決定を受けた場合においても、全額を受け取ることができるとは限らない」と明記しています。
誤解したまま計画を立てると、申請でやり直しです。
補助対象経費は「省力化製品の設備投資における製品本体価格と導入に要する費用」と定義され、設備投資=購入が前提。月額や日額で借りる形は想定から外れます。
一方、ファイナンス・リース取引を利用した導入は可能です(2024年12月12日から対象)。対象リース会社との共同申請が必要で、リース料軽減計算書と宣誓書が要ります。手元資金を抑えたいなら、レンタルではなくこちらです。
交付決定前に発生した費用、試運転に伴う原材料費・光熱費、中古品はいずれも対象外です。
「先に発注してから補助金を探す」と交付決定前の購入として対象外に。検証は自己負担、本番は補助金が制度に沿った使い方です(PoC)。
8ステップ。GビズID取得から逆算します。
電子申請のため必須。取得に時間がかかるので最初に。
カタログにない製品は、この型では対象になりません。
製品ごとの販売事業者一覧から選び、窓口へ連絡します。
事業計画を共同で策定し、公募期間内に申請します。
交付決定日から原則12か月以内。決定前の購入は対象外。
支払い・導入実績の証憑と達成状況を提出。実地検査あり。
確定後に支払い請求。全額が出るとは限りません。
毎年度、稼働状況と省力化・賃上げの実績を報告。
共通で従業員名簿、貸借対照表と損益計算書(前期・前々期)。法人は履歴事項全部証明書(発行3か月以内)、法人税の納税証明書(その2)直近3期分、役員・株主名簿。個人事業主は確定申告書の控えと所得税の納税証明書。加えて人手不足を示す書類が要ります。
導入時点では全額を自社で払う必要があり、交付決定額の全額が支払われるとも限りません。「補助金が入るから払える」という資金計画は組めません。
他制度もGビズIDが前提です。ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)は23次締切(2026年5月8日)で受付を終了し、以後の新規受付は「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」に統合されました。統合後の第1回公募は申請受付が2026年9月30日から、応募締切が2026年10月30日18:00です。デジタル化・AI導入補助金の通常枠5次締切は2026年9月29日17:00(いずれも2026年9月時点)。
順序を間違えて失敗します。2番目は補助金で解決しません。
「カタログに載っているから」で選ぶと、現場に合わない機体を安く買うことに。補助金が効くのは金額だけで、通路幅・段差・床面は変わりません。課題から選んでください(選び方/Go2・G1)。
能力表(全60件)で×(今はできない)としているのは9件、△(研究段階)は11件あります。×の代表例は介護の移乗・入浴・排泄介助、侵入者の確保・制圧、複雑な調理と接客判断、レジ・会計の代行、汎用の施工自動化、悪天候下の飛行。△の代表例は多品種の器用な把持、柔軟物の掴み分け、品出し・陳列、繊細な収穫・選果です(全件は能力表で確認できます)。補助金は買う金額を下げるだけで、できることを増やしません。×に半額で投資しても動かない機体が置かれるだけで、労働生産性3.0%向上の要件も達成できません。
交付決定前に購入した製品・発生した費用は対象外。「年度内に入れたいから先に発注」は外れます。
レンタルは対象外が多く、中古品と検証段階の費用も対象外。手元資金を抑えたいならリースです。
賃上げ目標が未達なら減額、一般型は基本要件未達で返還です。括弧内の金額を前提に予算を組むなら、賃上げの実行まで含めて決裁を。(一般型の場合)公募要領は事業計画を申請者自身で作ることを求め、過大な成功報酬を請求する支援業者への注意も書いています。
補助金は申請すれば必ず通るものではありません。(一般型の場合)事業計画は外部有識者からなる審査委員会が評価し、「採択結果」の理由開示や異議申し立ては一切受け付けられません。カタログ注文型でも、交付申請の内容は事務局が精査し、対象外経費があれば減額または全額対象外になります。採択前提で資金計画を組まず、自己資金でも成立する設計に。制度・要件は改定されるため、申請前に最新の公募要領で確認してください。
ロボットの購入に補助金は使えますか?
使える場合があります。代表は中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)で、カタログ登録製品を販売事業者と共同導入する事業が対象。中古品と交付決定前の購入は対象外、採択は保証されません。
補助金はいくらまで出ますか?
従業員5名以下200万円、6〜20名500万円、21名以上1,000万円(カタログ注文型・2026年3月19日以降)。賃上げ達成で300万・750万・1,500万円。一般型は750万〜8,000万円です。
レンタルに補助金は使えますか?
レンタル(賃貸借)は対象外のことが多いです。補助対象経費は「製品本体価格と導入に要する費用」で購入が前提。試す段階は自己負担とし、その結果で本番導入を申請する順序が現実的です。
リース契約でも補助対象になりますか?
カタログ注文型ではファイナンス・リース取引での導入が可能です(2024年12月12日から対象)。対象リース会社との共同申請と、リース料軽減計算書・宣誓書が要ります。
中古のロボットは補助対象になりますか?
なりません。公式ポータルは補助対象外経費として「中古品」を明示。「交付決定前に購入した省力化製品」も対象外です。
申請してから入金までどのくらいかかりますか?
補助金は後払いです。交付決定、事業実施(原則12か月以内)、実績報告、補助額の確定、請求の順。導入費用は一度全額を自社で払う必要があります。
自社だけで申請できますか?
カタログ注文型は販売事業者との共同申請が必須です。カタログで製品を選び、販売事業者一覧から選んで連絡し、共同で事業計画を策定します。GビズIDプライムも要ります。
申請すれば必ず採択されますか?
採択は保証されません。(一般型の場合)事業計画は外部有識者からなる審査委員会が評価し、書類の不備が訂正期限までに解消されなければ不採択。「採択結果」の理由開示や異議申し立ても受け付けられません。カタログ注文型は中小機構の審査を経て採択と同時に交付決定となり、交付申請の内容は事務局が精査するため、対象外経費があれば減額または全額対象外になります。自己資金でも成立する設計に。
導入したい内容と事業規模をお聞きすれば、どの補助金が使えそうか、実質負担がどこまで下がるかを専門家と連携してご案内します。採択は保証できません。相談は無料です。